僕はまだ年金をもらう年齢では無いのですが、昨今年金だけでは生活が厳しいという声も聞きますし、実際に年金受給者がお金を借りる必要性があるというのが現状です。
手軽にお金を借りることが出来るアコムやプロミスなどの消費者金融が最初に検討されますが、消費者金融など大手の金融機関では年齢制限があり、お金を借りることが出来ない場合があります。
では、大手金融機関以外に年金受給者がお金を借りることが出来るところはあるのでしょうか?
僕もそのうちお世話になる可能性もゼロではないので必死に調べたところ、年金受給者がお金を借りるための国の制度がいくつかありましたので、どんな制度なのか、利用条件や申し込み方法、返済方法などについて検証してみましたのでご紹介します。
3分程度で読める内容ですので、是非参考にされてください。
この記事に書いてあること
年金受給者がお金を借りる方法その1:年金収入のみで利用可能な「年金担保融資制度」
年金受給者がお金を借りる方法は、年金以外の収入の有無によって利用できる方法が変わります。
後程、解説しますが、年金以外にも定期的な収入のある年金受給者は民間の金融機関で今すぐお金を借りる方法があります。
ですが、年金以外の収入がない人は民間の金融機関や消費者金融には申し込めませんが、年金を担保にした公的な融資制度を利用することが出来ます。
確かに「担保」というと、土地などの家屋などが想像しちゃいますが、実はこの「年金担保融資制度」は毎月国から支給されている年金を担保にして融資してくれるんですね。
、
年金担保融資制度は、
年金担保融資制度
- 独立行政法人福祉医療機構(WAM)が行っている「年金担保貸付事業」「労災年金担保貸付事業」
- 日本政策金融公庫(JFC)が行っている「恩給・共済年金担保融資」
があります。
仮にこの2つの公的機関以外で年金を担保にお金を貸している業者がありましたら、それは違法となりますので関わらないように気を付けてください。
今回は、独立行政法人福祉医療機構(WAM)が行っている「年金担保貸付事業」にそって解説していきますね。
年金担保融資制度とはどのような制度?
年金担保貸付制度とは、年金受給者が支給を受けることができる年金を担保にしてお金を借りる制度です。
年金担保貸付制度は民間の営利目的の融資ではなく年金受給者向けの公的な融資制度です。
たとえば急に医療費が多く必要になった場合や、住んでいる自宅に不具合が発生して改修する必要があるとき、介護や福祉のための資金として利用できるほか、冠婚葬祭の資金や生活必需物品の購入のためにお金を借りることもでき年金を補完するという役割をしています。
また、年金受給者が資金の必要に迫られた際に、悪質な業者などから借り入れするなど被害に合わないように作られた制度になります。
年金担保融資制度の利用条件とは
利用条件はとてもシンプルで、年金を受給している人で、その証明書が準備できることです。
対象となる年金の種類は国民年金や厚生年金保険のほか、労働者災害補償保険、老齢年金、老齢基礎年金、障害年金、遺族年金でも利用できます。
その他
- 厚生年金保険年金証書(厚生年金基金および企業年金連合会から支払われるものは対象になりません。)
- 国民年金・厚生年金保険年金証書
- 船員保険年金証書(平成22年1月以降の事故による船員保険の障害・遺族年金は対象になりません。)
- 国民年金証書(無拠出制の老齢福祉年金、特別障害給付金および国民年金基金は対象になりません。)
- 労働者災害補償保険年金証書(石綿健康被害救済法に基づく特別遺族年金は対象となりません。)
ただし、例外として生活保護受給中である場合は申し込みが出来ないなど、いくつか融資を受けることが出来ない場合もありますので、チェックは必要になります。
また、使いみちとしてふさわしくない投機性の高い場合(ギャンブル等)もしくは公序良俗に反する場合、または借入申込者ご本人の利益に明らかに反する場合なども融資が受けられないことになっています。
年金担保融資制度の融資額など詳細
この表を見ると、確かに民間の金融機関に比べて、金利は安いので返済の負担は軽くなりましメリットは大きいですが、「連帯保証人」が必要な事と、融資が実行されるまでに4週間程度かかるので、今すぐお金が必要な方向けではありませんね。
また当然ですが、審査もありますので、内容によっては審査に通らないこともあります。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
ご融資金額 | 10万円~200万円の範囲内(生活必需品の購入が目的の場合は最大80万円まで) ※借入申込者本人が必要とする額(要:見積もり書など) ※支給されている年金の0.8倍 |
貸付利率 | ・年金担保貸付:2.8% (平成30年10月3日現在) ・労災年金担保貸付:2.1% (平成30年10月3日現在) |
担保 | 年金を受ける権利(受給権) |
連帯保証人 | ・連帯保証人(審査基準あり)が必要 ・信用保証制度利用可(要:保証料) |
審査の有無 | 審査有 |
借入までの期間 | お申込み締切日からご融資日までの期間は、概ね4週間程度。 |
年金担保融資制度の申し込み方法は?
年金担保融資制度の申し込みは申込者本人が現在年金を受け取っている銀行や信用金庫を窓口として行います。(※年金担保融資制度申込窓口一覧)
申し込み前の問い合わせや相談は福祉医療機構でも年金を受け取っている銀行でも対応してもらえます。相談後に納得できたらそのまま申し込みできるように、銀行に相談するとよいでしょう。
申込の際の必要書類は、
必要書類
- 借入申込書(取扱金融機関の店舗に用意してあります。)
- 年金証書
- 現在の年金支給額を証明する書類
- 実印・印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)
- ご本人であることを確認できる写真付証明書
- 資金使途の確認資料(見積書、請求書等)
となりますが、すぐに用意できそうな書類ばかりですので難しくは無さそうですね。
ココに注意
制度の運営は福祉医療機構が行っていますが、申し込みの窓口は年金を受け取っている金融機関になります
年金担保融資制度の返済方法
年金担保融資制度で融資を受けたお金の返済は借入金を受け取られた月(融資実行月)の翌々月以降の偶数月から、2ヶ月に一回のペースで支給される年金からの天引きとなります。
年金から天引きなので、振込をしたり引き落しがあったりということはなく、自動的に返済が行われので手間はかかりませんし、うっかり忘れることはありません。
また民間の金融機関とは違い、返済額は1万円単位で利用者が自分で決めることができますので、マイペースで無理なく返済できるように配慮されています。
最低返済額は2ヶ月に一回1万円となりますので、1ヶ月あたり5,000円となり、自分から現金を出さなくてよいので負担に感じるようなことはないでしょう。
年金支給額が多い人は返済額を多めに設定して短期間で返すこともできます。早めに返せばそれだけ利息が安くなり支払総額をおさえることができます。
ココに注意
独立行政法人福祉医療機構が行う「年金担保貸付制度・労災年金担保貸付制度」は令和4年3月末の予定で申込受付を終了することに、日本政策金融公庫が行う「恩給・共済年金担保融資」は平成31年1月4日から追加融資のお取扱いを終了します。
年金受給者がお金を借りる方法その2:低金利でお金を借りれるのは「生活福祉資金貸付制度」
年金収入のみの人が利用できる公的な融資制度にはもう1つ、「生活福祉資金貸付制度」という制度があります。
メモ
「年金担保貸付制度・労災年金担保貸付制度」が令和4年3月末の予定で申込受付を終了してしまうので、年金受給者の方は今後こちらがメインの借入先として利用することになります。
年金受給者に適した福祉資金、福祉費
福祉資金や福祉費とは、高齢者や障害者、所得が低い人の生活を支えるための福祉資金制度です。
住んでいる都道府県にある社会福祉協議会が主体となって、介護を受けるための資金や仕事につくための訓練費用などを借りることができます。
民間の金融機関と違い営利目的ではないですし、福祉のための貸し付けなので、消費者金融や銀行のローンよりも金利が大幅に安くなるのが特徴です。
また、生活福祉資金貸付制度では、資金の貸付けによる経済的な援助だけでなく、その地域の民生委員が借入を受けた世帯の相談支援も行っていて、在宅福祉や社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度となります。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
ご融資金額 | 上限額580万円以内 ※内容によって上限価格に変動があります。 例) ・冠婚葬祭経費:50万円 ・介護サービスを受ける経費:230万円以内 ・住居の増改築などの経費:250万円 |
貸付利率 | ・連帯保証人有:無利子 ・連帯保証人無:年1.5% |
担保 | 無し |
連帯保証人 | 原則必要 ※ただし連帯保証人無しでも貸付可 |
審査の有無 | 審査有 |
返済据え置き期間 | 最終貸付日から6か月以内 |
緊急時に利用可能、緊急小口資金
緊急小口資金とは、所得が低い人が急にお金が必要になったときに、一時的に必要な費用を借りることができる制度です。
たとえば、年金を受け取る年齢になったけど最初の支給日までの生活費がないときや、受け取った年金が盗難にあったときなどに使えます。
そのほか突発的に高額な医療費や介護費用が発生したとき、自宅で火災が発生して生活できなくなるなど、緊急でお金が必要なときに利用できます。
お金がないときにさらに緊急の出費があるとあせってしまいますが、そのようなときにこそ落ち着いて活用したい制度です。
年金生活をしていて手持ちの資金に余裕がない人は、普段から制度の詳細に目を通しておくとよいでしょう。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
ご融資金額 | 10万円以内 |
貸付利率 | 無利子 |
担保 | 無し |
連帯保証人 | 不要 |
審査の有無 | 審査有 |
返済据え置き期間 | 貸付日から2か月以内 |
申し込み、相談は社会福祉協議会・ハローワーク
申し込みや相談をする先は都道府県ごとに設置されている社会福祉協議会またはハローワークで申し込みができます。
47都道府県それぞれに窓口があり、「社会福祉協議会」の前に、住んでいる都道府県名を入れてインターネットで検索するとホームページにアクセスすることができます。
急にお金が必要になったときのために、一度ホームページに目を通しておいて、ブックマークしておくとよいでしょう。
年金受給者がお金を借りる方法その3:カードローンを利用する【条件付】
年金受給者でも年金以外に収入があり、一定の条件をクリアすればカードローンに申し込むことができます。
年金受給者がカードローンを利用するための条件について解説します。
アルバイトなど年金以外に収入があること
年金生活をしている人がカードローンを利用するには、年金以外の収入がある必要があります。
たとえば、アルバイトをするなどして毎月収入が入っていればその収入をもとにカードローンの審査を受けることができます。
アルバイト、パート、派遣社員、契約社員など雇用形態は気にする必要はありませんが、毎月安定して給料が入ることが条件です。
もし受け取っている収入が年金だけなら、残念ながらカードローンは利用することができません。
各金融機関の融資上限年齢以下であること
もうひとつはカードローンの年齢制限です。カードローンの申し込み資格には年齢の条件があり、上限の年齢を超えているとたとえ収入があっても申し込むことができません。
上限年齢は金融機関によって違いますが、65歳から69歳の間になっていることが多いです。
年齢上限に達する直前でも申し込みすることは可能です。カードローン契約中に年齢の上限を迎えた場合は、その時点から新たな借り入れはできなくなり、それ以降は毎月返済するのみとなります。
消費者金融 | 年齢制限 |
---|---|
プロミス | 20~69歳までの方 |
レイクALSA | 満20歳〜70歳 |
SMBCモビット | 年齢満20歳以上、69歳以下 |
Q&A
年金受給者がお金を借りるときのよくある疑問点について解説します。
Q:年金担保融資制度には審査があるの?
はい、勿論審査はあります。
年金を担保にお金を借りる場合にも審査がありますので、申し込みをすれば自動的に借り入れできるわけではありません。
ただし、審査と言っても制度の対象となるかという意味の審査なので、返済能力を調べられるわけではありません。
持っている資産や家族構成などを審査されるわけではありませんので安心して申し込むことができます。
年金を受給している人でその証書を持っており利用目的が適切なら、ほぼ審査に落ちてしまうということはないでしょう。
Q:生活社会福祉資金貸付制度には審査があるの?
はい、勿論審査はあります。
生活社会福祉資金貸付制度についても、制度の対象となるかの審査があります。
この制度は急にお金が必要になった場合や、年金の最初の支給日までの生活費を借りるための制度なので、会社員や就職が決まっている人は利用することができません。
本当に緊急のお金が必要なのか、本当に収入がない人なのかという点がチェックされますのでキャッシングやカードローンの審査とは全く異なります。
お金が必要な理由が制度の対象となるもので、年金以外に収入源がないことが認められれば制度を適用してもらえます。
Q:これらの制度は申込から借入まではどのくらい時間がかかるの?
民間の金融機関と比べると少し時間がかかります。
年金担保融資の場合は申し込みからお金を借りるまでの期間は4週間から5週間程度です。
こういった制度は公的な融資制度なので、どうしてもお金を借りるまでに日数が必要になります。
もし急いでお金を借りる必要があり、年金の他にもアルバイトなどで収入があるなら、消費者金融のカードローンを利用するのもひとつの方法です。
消費者金融なら申し込みをしたその日のうちにお金を借りることができますし、無利息期間がありますので少額なら次回の給料や年金ですぐに返済できる場合があります。
ただ、もうひとつの生活福祉資金貸付制度の場合は、1週間以内には手続きが完了する場合が多いです。
こちらは緊急の必要性に対応するための資金を貸し付けするのが目的なので、できるだけ素早く審査してくれます。
Q:消費者金融ではなぜ融資が難しいの?
消費者金融は「担保なしの融資」で、利用者の毎月の収入から返済する融資だからです。
年金受給者が消費者金融を利用するのが難しい理由は、年金以外の収入が無い場合が多いからです。
勿論、年金は毎月安定した収入ではありますが、支給額が増えたりボーナスが入ることはありません。
しかも。現状の年金の収入でお金を借りなければならないほど資金が不足しているなら、カードローンで借りてしまうと返済できなくなる恐れがあるからです。
そのため、年金収入だけでは審査に通ることができません。
年金とは別にアルバイトや副業で収入があれば、その収入を申告して消費者金融でお金を借りることは可能です。
例えば、不動産を持っていて家賃収入や駐車場代が毎月入るという人や、株などの投資で利益が出ているなら、その収入と年金の収入を足して毎年確定申告をしているはずです。
その確定申告書を消費者金融に提出して審査してもらうと、融資してもらえる場合があります。
また、消費者金融などの金融機関には貸付の際の条件として、年齢制限があります。
年金受給者で69歳以上の方は消費者金融の年齢制限をクリアできないので、消費者金融でお金を借りることが難しいのです。
年金受給者がお金を借りる3つの方法を徹底検証!まとめ
年金受給者がお金を借りるときは、年金以外に収入があるかどうかで利用できる借り入れ先が変わります。
年金以外に収入がない人は消費者金融は利用できませんので、年金担保融資制度や生活福祉資金貸付制度の利用を検討しましょう。
逆に年金以外に毎月入る定期的な収入がある人は、年齢の条件さえ満たしていれば消費者金融やカードローンが利用できます。
年金受給者はお金を借りれないということは決してありませんので、自分の状況に応じて最適な借り入れ先を探してみましょう。